僕の嘘。
随分と長い間、
僕は嘘をついていたようだ。
自分が気づいていること、
うすうす分かっていたこと。
それらをずっと、
君に確認しないまま、
ただ日々を過ごしていた。
そうしていれば、
その嘘はいつか本当になるんじゃないかって、
思考は現実化するんじゃないかって、
そんなこと、期待してた。
でもどこかで分かっていた僕は、
少し卑怯な手を使って、
君に嘘をつかせてしまった。
君は僕の巧みなやり口に、
きっとずっと気づかないままだろう。
それと同じくらいの間、
僕は平静を装って毎日を過ごすだろう。
真正面から確認するのが、
ただ怖かっただけなのに。
僕の弱さから君に嘘をつかせてしまって、
それでも僕は。
おそらく君は自分を責めているだろう。
それはいつかのトラウマかなんかと
リンクした痛みなのかもしれない。
でもやっぱり君は悪くなくて。
こうやって言葉にする以外に、
消化する方法が見当たらない、
深夜3時。
コースターの上のコップにまといつく水滴が
静かに伝い落ちていく。
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