君の嘘。
あの日、僕がつかせた君の嘘。
知的でもウィットでもない君の嘘。
不意に口をついて出た君の嘘。
たぶん君は、一瞬戸惑ったのだろう。
君が言葉を発するとき、それが口元で少し淀んでた。
君は自分が嘘をついたように思って
少し手が震えてた。
きっと罪悪感みたいなもんが
一瞬で身体中に充満して
それが指先にまで伝わったからだろう。
あの日、君がついた嘘。
あの日、僕がつかせた君の嘘。
どちらに罪があるのかは分からないけれど、
僕が同じくらい罪悪感を抱いていること、
君はまだ気づかないままでいる。
コースターに乗せたコップが汗をかいている。
夏はもうすぐそこ。
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