4対6のしあわせ。
コーヒーは好きですか? 僕は大好きです。
今日は簡単にできる美味しいコーヒーの作り方をお教えします。
まずはHARIOのドリッパーにペーパーフィルターを載せて、そこに挽いた豆を適量入れます。
その粉の表面にお湯を少しだけかけて、そこでいったん10秒ほどおき、粉をお湯に慣らします。そしてそこから「の」の字を描いてゆっくりとお湯を注ぎます。
最終的に作りたいコーヒーの量を100としたとき、最初に注ぐお湯の量は全体の4割程度にします。そして、このお湯が「すべて」落ちきるのを待ちます(これがポイントです)。
そして「すべて」のお湯が落ちきったところで、残りの6割のお湯を注いで待つだけです。
どう、シンプルでしょう?
こうすると、わりと「きちんとしたコーヒー」になるのでオススメです。(もし濃ゆければ、お湯で少し薄めましょう。)
コーヒーって「淹れた人の気持ちが出る」と言いますが、最初の4割を急いで注いだり、それが落ちきる前に残りの6割を注いだりすると、味が少し「バタつく」感じがします。
僕が小説を書きはじめたころ、腕試し的な感じで短編を3本書いてみました(2017年3月のこと)。
そのころ知り合いの方の紹介で、とある編集者の方に添削をお願いしたことがありますが、その先生が当時言っていたひと言が、いまだに僕のなかに残っています。
それは「落ち着いて書いた人の文章は雰囲気が落ち着いている」という言葉です。(一言一句おなじではないけれど、ニュアンスはだいたいそんな感じです。)
ではいったい、どうしたら落ち着いて書けるのか?
そのためにはきっと「静かな空間」と「経済的基盤」が必要なんだと思います。
空想の世界を描写する小説家だって、現実世界ではご飯も食べなきゃいけないし、電気代やガス代も払わなきゃいけない。区民税や健康保険料だって納めなきゃいけません。
そういった最低限の「経済的基盤」がまず必要です。それから「落ち着いて書ける静かな空間」も必要です。
それでも基本的に僕ら普通の人間が小説家になっていく最初の段階では、その両方が揃っていることなんてほとんどありません。
そんな状況のなかでも「バタつく」ことなく「落ち着いた文章」を書くには、やっぱり自分なりの「リズム」を作ることが重要なんでしょうね。
そう考えると「4割のお湯が落ちきるのを待つことができる心の余裕」って、意外といろいろなことにつながっているような気がします。
そんなことを思いながら、毎朝コーヒーを作る今日このごろ。(Essay 13 おわり)
0コメント