夏に読みたい、薄い本。



観測史上最も早く、梅雨が明けましたね。



聞いたところによると、出版業界は、夏になると売上が下がるようです。



暑い時期はみんな、読書なんてしている場合じゃないんでしょうね、きっと。





今回はその流れに逆行して(ちょうど火星も木星も逆行していますしね)、



夏にオススメの「薄い本」を3冊ご紹介しますね。




【サガン】
悲しみよ こんにちは




フランソワーズ・サガンのデビュー作。



南フランスで夏のバカンスを父といっしょに過ごすことになった、



18歳のヒロイン、セシル。



彼女は、父の恋人である「エルザ」と3人で過ごしていたが、



そこに亡き母の友人「アンヌ」が来ていっしょに時間を過ごすことになる。



ヒロインのセシルは、大学生の男の子とひと夏の恋をする。




【オススメポイント】




なんというか、もうあれですよね、



「恋」と「美」って世界共通のテーマだと思うんです。



加えて夏のアヴァンチュールと、若さと老いと、可能性と諦めと、



そのあたりがとてもテンポよく展開していく物語です。



女性にはもちろん、女心(男にとっては永遠の謎)を知りたい男性にもオススメの1冊。





普段読書をしない方にとっては、



けっして短くない物語(190ページ)なんですが、



読みやすい翻訳なので、とてもオススメです。



この作品を18歳にして書き上げたサガンの才能に、



僕は読むたびに感服させられます。



さて、次です♪




【村上春樹】
風の歌を聴け




言わずと知れた、村上春樹さんのデビュー作です。



僕がこれを読んだのは5年ほど前。



それまでは春樹さんの文章が苦手だったんですが、



この作品を読んで、「こんなポップな文章があるんだ!」と感動したのを覚えています。




【オススメポイント】




内容的には「港町で過ごしたひと夏の思い出」的な話なんですが、



デビュー作からすでに、「春樹スタイル」は全開です。



リズミカルで平易な文章や、シニカルな会話、読者を引きつける展開、etc...。





この作品は春樹さんがまだ千駄ヶ谷で、



ジャズ・バーを経営しているときに書いた作品で、



忙しい合間を縫って書いたため、



必然的に章立てがかなり「細切れ」になっていますが、



読む側には、「休みやすい」というメリットが生まれたのです。



ですから、「気ままに開いて1,2ページ読んで、読書を中断する」、



なんてことができてしまうわけですね。



(僕はいつも中断できなくて困っています。それくらいオモシロイんです。)



忙しい夏に、仕事用の鞄に1冊入れておくと、重宝しそうな1冊です。



ということで、最後は簡単に。




【サマセット・モーム】
ホノルル




モームの文章は上記の2冊に比べて、



少し「密度が高い」感じがするかもしれませんが、



慣れてしまえばその世界が心地よくなると思います。



この本のタイトルになっている『雨』と『赤毛』は、



モームの名を世に知らしめた作品のようですが、



僕はどちらかというと、最後の『ホノルル』のように、



鋭くない、普通すぎる文章の方が好きです。





なによりここにある物語は、



100年ちかく前に書かれた文章ですので、



そういったものが未だに残っている、ということに僕は感動してしまうわけです。



物語って、すばらしいなぁ、って本当に思います。




ということで、、




あなたはこの夏、どんなことに出会うのでしょうか?



これだけ娯楽が多様化した現代にあって、



「読書」という原点回帰的な行動を、あえて選択することが、



意外にも日常にソリューションを提供してくれたりすると僕は思うのです。



普段読書をしない方も、頻繁にする方も、



この3冊は読んで損がない作品だと思います。



興味があれば下記のリンクからどうぞ〜☆



それでは、今日もこの辺で。



きっと明日も、良い日です。



言葉のちから

僕らの言葉と想いと行動が きっと世界を変えていく 少しだけいい方向に

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