ふわふわ、ゆらゆら、やじろべえ。
僕らのこころは、いつも安定なんてしてくれない。
新しいことをはじめるときだって、なにかをつづけるときだって、
だれかを好きになるときだって、だれかと別れるときだって、
今のままでいるときだって、変化を起こそうとするときだって。
ぐらぐら、ふわふわ、揺れつづけている。
それらをうまく表す言葉を僕は今日も探している。
そして、それを物語にできたらいいなとよく思う。
物語はいつも即効性を持たない。
絵画や音楽のように、見たり聴いたりして、
パッと印象でつかんでもらうことができない。
でも、だからこそ、物語には強い味方がいる。
それは「時間」だ。
僕は自分のなかから湧いてきた「なにか」を
「時間」をかけて物語に落とし込む。
ひとり静かに言葉を磨く。
できるだけ「わかりにくい」ことを、
できるだけ「わかりやすい」言葉で、
表現しようと努力する。
それでも技術は全然追いつかない。
そのことでヘコんだり、無力感を感じたり、悔しい思いをすることもある。
でもそれは足を止める理由にはならない。
最初はやり方もわからないし、周囲からの応援だって得られない。
進み方も不器用で、あっちこっちにぶつかる。
「こんなことに意味があるのかな?」と、
ときどき半信半疑になったりもする。
でも、それはみんなおなじ。
君が見つけた「なにか」と、
僕が見つけた「なにか」が、
君がこれから出会う「なにか」と、
僕がこれから出会う「なにか」が、
僕のなかから出てきた物語の世界で、
ひとつの形をとれたらと思う。
今日もふらふら、やじろべえ。
お前はどっちに転ぶのか?
右に、左に、やじろべえ。
お前は、どっちに向かうのか?
どこで、形を結ぶのか?
そうやってわからないまま進んできたあなたと、
いつか直接会えたらいいな、と僕は思うのです。
さてと。
0コメント