秋に読みたいハルキくんの中編。



こんにちは。ケニーです。高木です。どうもです。



秋は本を読むのには最適な季節ですよね。



夏のようなアツさはないんですが、感情的に不安定になることも少ないので、



なにかに安定的に集中するには秋っていい時期なんですよね。





ここに来ている方の多くは文章が好きで、



普通の人よりも本に触れる機会が多い人だと思います。



今日は読書に適した秋にオススメの村上春樹さんの小説を3冊、ご紹介しますね。



本なんて結局出会いなんですから、僕から薦められたという軽い理由で、読み始めるくらいがちょうどいいんです、きっと。




本の紹介のまえに、、。




ハルキくんの「長編」ってだいたい分冊になっていて分量があるので、



やっぱり読み始めるにはそれなりに決意みたいなものが要るんですね。



その点、「中編」はある意味テキトーに、まぁ読んでみるか程度の気軽さで読み始めることができるんです。



今回紹介する中編の定義は『1冊で読み切れるようになっている(分冊になっていない)』というものです。



人によっては少し多く感じるかもしれませんが、トライしてみる価値はあります。



では、さっそくいってみましょう。



僕のオススメの中編、第3位!




国境の南、太陽の西。




この物語はハルキくんがアメリカで「ねじまき鳥クロニクル」という長編を書いている最中、



そこに出てきた内容の一部を "ごっそり” 抜き出して、別の物語を立ち上げたというハルキくん的にも珍しい1冊です。



この本を読んでいる最中、もしかしたらあなたは、



昔、気になっていた異性のことを思い出すかもしれません。


昔、傷つけてしまった人のことを思い出すかもしれません。


昔、置いてきた自分自身のことを思い出すかもしれません。



そんな小説です。



ちなみにハルキくんは『村上さんのところ』でこんなことを述べています。



「どうかその悲しみを抱えて生きていってください。それも生きる大事な意味のひとつだと僕は思います。「悲しいことは早く忘れた方がいいよ」と言う人もいるでしょうが、悲しみを忘れないこともやはり大事です。」


そして、ハルキくんはこの『国境の南、太陽の西』という本を紹介しています。



不倫のテーマも含まれていますが、気になった方は読んでみてくださいね(リンクはこのページの最後に載せてあります)。



さてさて、続いて、第2位です。




スプートニクの恋人




この本は最初の60ページくらいをサクッと読んで興味が持てず、そのまま放っておいたんですが、



あるときふと読み始めてみたら、止まらなくなってしまって、最後まですっと読み切った記憶があります。



僕は思うんですが、やはり本の素晴らしいところってこういうところだと思います。



つまり、「自分に必要なタイミングで必要な分だけ読める」、その本と自分とで「距離が取れる」、そういうところです。



さてさて、小説の中身の話に移りましょう。



スプートニクという世界初の人工衛星があります。



衛星って地球の周りを日々、グルグルと回っていますが、決して交わることがないですよね?



この物語のモチーフにもそういった不思議な(そして決して交わることのない)三角関係が描かれています。



永遠に重なることができない関係や、その事実との折り合いの付け方。



結局僕たちはどこにもたどり着けないのかも知れない。けれど、なにかしらの出来事を通過する前と後では明らかに身体の組成が違ってくる。



もしかしたらそれが人が生きていくということなのかもしれません。



決して思い通りにはいかなくても、また前を見て進んでいく。人生というそれぞれの物語を。



未来になにかを希望しながら。



そんな物語です。



ハルキくん的には「一人称(僕・ぼく・私・わたし)の総決算として書いた作品」なので、



詰め込み感と実験的な文章が含まれるので、抵抗のある人もあるかもしれませんが、オススメです。



さて、(個人的な)第1位は、、。




色彩を持たない 

多崎つくると、
彼の巡礼の年 




タイトル、長っ!って思った方、



僕も同じこと考えました。笑



いつもは「つくるくん」とか「色彩を持たない、、」とか呼んでいます。



でも、タイトルってやっぱり大事だなって思うんです。



なんだかミステリアスというか、なんだか気になるというか、そんなタイトルです。



これが現時点(2017年9月)で、ハルキ君の最新の「中編小説」になるわけですが、



なぜこれがこんなにも僕にヒットしているかといえば、



きっとそれは僕の人生のテーマがこの物語とモロに重なっているからでしょう。



そのテーマとは「拒絶感」と「孤独感」。(なぜか僕はこのふたつをとても強烈に抱えてしまっています。)



「孤独感」に関しては、長編『ダンス・ダンス・ダンス』にもリンクするんですが、



この『色彩を持たない、、』ではそれが本当に上手く描かれています。



『ダンス・ダンス・ダンス』という作品は、いろいろな個人が主人公のところを訪れては消えていく「孤独感」なのに対して、



この『色彩を持たない、、』の方は集団から拒絶され隔離されてしまった「孤独感」です。



物語の移り変わりのスピード感。仲間や集合体から隔離されてしまった自分。それによって傷ついた自分と、それを回復させる旅。



いろいろなこととの距離感をつかめるようになって、



折り合いをつけられるようになった今だからこそ、その事実と向き合えることって、結構あると僕は思うんです。



この小説はそんな自分自身の心の隅の方に強烈で真っ直ぐな光を(そっと)当てるような、そんな物語です。



あなたの心に潜む、孤独感と拒絶感をこの物語は浮き彫りにし、そして癒してくれると思います。



とてもオススメです。



ということで、お時間の許す限り、お互い秋の読書を楽しみましょう♫



ではでは。



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